「バンテージ・ポイント」の感想!羅生門スタイルが生きた名作
これから映画の感想やレビューもブログで取り上げます。
最初は「バンテージ・ポイント」です。
「バンテージポイント」は羅生門効果が生きた映画?
「バンテージポイント」は羅生門効果を用いているといわれています。
ただし厳密にいうと羅生門効果とは異なります。
黒澤明監督の「羅生門」は、殺人事件の3人の当事者がそれぞれ違った供述をして、事件捜査が行き詰ってしまうという映画です。
それに対して「バンテージポイント」は、大統領暗殺および誘拐事件に関わった8名の視点をつなぎ合わせることで、事件の真相を明らかにすると言いう映画です。
羅生門効果を意識したのかもしれませんが、実はそれとは異なる手法を使った映画です。
その描き方がとても見事でわかりやすかったですね。
前半の人の視点ではわからなかった事件の真相や犯人や人間関係が、次の人の視点に移ると「なるほど、そういうことだったのか!」となり、少しずつ事件の真相や犯人の狙いに近づいていくのはとても面白かったです。
同じ映像を何度も見ることになりますが、そのたびに新しい発見があります。
そのため私は最後まで集中して映画を見ることができました。
犯人の作戦が用意周到だったことも効いていましたね。
クライマックスは大迫力のカーチェイス!ただし不満も
「バンテージポイント」のクライマックスは、大統領を誘拐した犯人が運転する救急車と、主人公の車によるカーチェイス。
街中でよくこんなカーチェイスを撮影できたな、というくらいの大迫力。迫力をより際立たせるカメラワークもバツグンによかったです。
多分映画を見終った後に、一番印象に残るシーンがこのカーチェイスのはず。そのくらいインパクトがありました。
不満点としては、できれば最後はレックス・ブルックス(シガニー・ウィーバー?)を中心とするテレビ局に締めてほしかったこと。
映画はテレビスタッフの視点から始まっており、事件の全貌を世界に放送していたのだから、映画の最後にもニュースの中で事件の結末を伝えてほしいと思いましたね。
特にシガニー・ウィーバーが好きというわけじゃないけど、最後はその方が締まりがよかったかなと思いますが、いかがでしょうか?