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タイムリミット(2003年映画)のレビュー

デンゼル・ワシントン主演のタイムリミットを観ました。

感想を書いていきます。

 

マットに仕掛けられた罠が巧妙

「タイムリミット」では、デンゼル・ワシントンが演じる警察署長に殺人、横領の疑いをかけられるのですが、巧妙に仕組まれた罠の描き方がそこそこ上手いと感じました。

 

アンといっしょに病院に行ったら、すでにアンは肺や肝臓にがんが転移しており余命数ヶ月だと告げられるシーンがありました。

 

さらに医者は「治療費が高額の上に、助かる保証もない」といいつつスイスでの代替医療を紹介します。

アンに夢中になっているバカなマットはすっかりだまされ、その代替医療に微かな望みをかけてしまい、警察署に保管してある金をアンに渡してしまいます。

 

大病院で立派そうな医者からそんな説明をされたら、女に夢中になっているバカな男は信じてしまうでしょう。

 

またハリソン夫妻が殺されたように見せかけて家を放火するのですが、他の死体を準備し歯形まで用意するのですから、黒幕はかなり用意周到だったことがうかがえます。

 

これにより死んだと思われていたアンと不倫関係だったマットはどんどん追い込まれていくとになります。

 

自分がアンの保険金の受取人になっているので、動機は十分ありますからね。

 

主人公マットをじわじわと追い込んでいく巧妙な罠の描き方は、かなりうまくできていたと感じました。

結末は都合よすぎるハッピーエンド

マットの偽装工作が功を奏し(?)、殺人や放火の容疑は消え、横領の金も元に戻し、マットの容疑はすべてなくなります。

 

でもそんなことは優秀な刑事の妻はすべてお見通し。

 

本来なら警察署長として何らかの責任を取らなくちゃならないのに、彼女が見逃してくれたおかげでお咎めなしになりました。

 

これだけでも十分ハッピーエンドなのですが、さらにラストには驚きました。

 

別居中の妻が帰ってきたのですから。

 

ただ最後は納得がいかないですね。

不倫したことまでわかっているのに帰ってくるなんて、普通だったらありえないですから。

 

主人公に都合がよすぎです!できればあんなバカな男のもとには帰ってほしくなかったなあ。

おろかな男と恐い女

デンゼル・ワシントン演じる警察署長がこんな窮地に追い込まれたのは、すべて自分のせい。まさに身から出た錆です。

 

要職にありながら同じ街に住む昔の恋人と浮気。

 

これがもとで事件に巻き込まれるわけですが、ひとつウソをつくとそのウソを取り繕うためにまた次のウソをつかなければならないといういい事例を見た気がします。

 

しかもアンと不倫しながら、元妻には未練がましくよりを戻したいと本気で考えているのですから本当にばかな男です。

 

女で失敗するという典型でした。

 

そしてあらためて感じたことは女は怖いということ。

 

黒幕に脅されたと言いつつ、夫も黒幕も死んだことがわかるとアンはマットを始末し、マットが警察から横領した金を独り占めにして、自分だけいい思いをしようとするのですから。

 

アンが不倫中にあれだけ愛の言葉をささやいていたのは一体何だったのでしょう?

 

女の言葉はかんたんに信じるな、ということなのでしょうか?

「バンテージ・ポイント」の感想!羅生門スタイルが生きた名作

これから映画の感想やレビューもブログで取り上げます。

 

最初は「バンテージ・ポイント」です。

 

「バンテージポイント」は羅生門効果が生きた映画?

「バンテージポイント」は羅生門効果を用いているといわれています。

 

ただし厳密にいうと羅生門効果とは異なります。

 

黒澤明監督の「羅生門」は、殺人事件の3人の当事者がそれぞれ違った供述をして、事件捜査が行き詰ってしまうという映画です。

 

それに対して「バンテージポイント」は、大統領暗殺および誘拐事件に関わった8名の視点をつなぎ合わせることで、事件の真相を明らかにすると言いう映画です。

 

羅生門効果を意識したのかもしれませんが、実はそれとは異なる手法を使った映画です。

その描き方がとても見事でわかりやすかったですね。

 

前半の人の視点ではわからなかった事件の真相や犯人や人間関係が、次の人の視点に移ると「なるほど、そういうことだったのか!」となり、少しずつ事件の真相や犯人の狙いに近づいていくのはとても面白かったです。

 

同じ映像を何度も見ることになりますが、そのたびに新しい発見があります。

 

そのため私は最後まで集中して映画を見ることができました。

犯人の作戦が用意周到だったことも効いていましたね。

クライマックスは大迫力のカーチェイス!ただし不満も

「バンテージポイント」のクライマックスは、大統領を誘拐した犯人が運転する救急車と、主人公の車によるカーチェイス

 

街中でよくこんなカーチェイスを撮影できたな、というくらいの大迫力。迫力をより際立たせるカメラワークもバツグンによかったです。

 

多分映画を見終った後に、一番印象に残るシーンがこのカーチェイスのはず。そのくらいインパクトがありました。

 

不満点としては、できれば最後はレックス・ブルックスシガニー・ウィーバー?)を中心とするテレビ局に締めてほしかったこと。

 

映画はテレビスタッフの視点から始まっており、事件の全貌を世界に放送していたのだから、映画の最後にもニュースの中で事件の結末を伝えてほしいと思いましたね。

 

特にシガニー・ウィーバーが好きというわけじゃないけど、最後はその方が締まりがよかったかなと思いますが、いかがでしょうか?